2015年4月29日水曜日

What is the difference between a citizen and a civilian?

 What is the difference between a citizen and a civilian?

Starship Troopers (1997)は、宇宙船も巨大昆虫との戦闘もリアルなSF映画だが、戦意高揚映画の形をとりつつ戦争を風刺している変わった作品だ。ハインラインの原作のカルタゴを広島に変えたりで傾向がまったく違う。 https://youtu.be/Qt52PF8LIB0

小説Starship Troopersで傷痍軍人の倫理の教師が主人公に軍人と民間人(civilian)の義務に違いがあるかと問う。映画では軍人が市民(citizen)になっているが、主人公の答えは同じ。市民は命がけで国の安全を守る責任があるが民間人にはない。なぜだろう。

Citizen(市民),moral(義務)body politic(国、政体)personal responsibility(責任)は翻訳すると社会的実感から遠くなる。公民という科目は中高で習っているはずなのだが。英文はブログで。http://nomurakn.blogspot.jp/

きっと英語にうるさい日本人は、moralは道徳と訳すべきだいい、公民教育に熱心な人はcitizenは市民ではなく公民というべきだといい、学者はbody politicは政体と翻訳すべきだというかもしれない。するとよけいに社会的な実感から遠くなるように思われる。

これらの用語の日本語および英語における歴史的背景や社会的な意味合いがわからないと、正確に翻訳することができないのだろう。とてもその域には達していないので、もとの英文を引用しておく。

小説からの引用
I thought about it during the last session of our class in History and Moral Philosophy….
Suddenly he [Mr.Dubois] pointed his stump at me.
 “You. What is the moral difference, if any, between the soldier and the civilian?”
 "The difference…lies in the field of civic virtue. A soldier accepts personal responsibility for the safety of the body politic of which he is a member, defending it, if need be, with his life. The civilian does not."  From Robert A. Heinlein, Starship Troopers (1959).

映画からの引用
RASCZAK: What’s the moral difference, if any, between the citizen and the civilian?
Rico: A citizen accepts personal responsibility for the safety of the body politic, defending it with his life, a civilian does not.

From a film “Starship Troopers” (1997) directed by Paul Verhoeven, acted by Casper Van Dien as Johnny Rico and Michael Ironside as Jean Rasczak.







2015年4月23日木曜日

リーダーは最後に食べなさいの意味



海兵隊でリーダーは最後に食べよというのは、リーダーシップの真価が自己より他者の要求を優先する態度にあるからだ。偉大なリーダーは、他者を従わせる特権があるから他者を真に大切に思い、その特権が私利私欲を捨てることで与えられたものだとわかっている。元海兵隊中将George Flynn

出典は次の書籍の序文である。Simon Sinek[1], Leaders Eat Last: Why Some Teams Pull Together and Others Don't (Penguin UK, 2014)  ISBN 0670923184, 9780670923182
サイモン・シネック (), 栗木 さつき (翻訳)『リーダーは最後に食べなさい! ―最強チームをつくる絶対法則』(日本経済新聞出版社、2015)

栗木さつき氏の翻訳とは少し異なるが、これは、リーダーが他人をしたがわせる「特権」と、リーダーが特権と引き換えに他人に対して負担する他人利益優先「義務」の関係を明らかにするためである。

海兵隊のように生死に関わる状況に直面した場合には、リーダーは自己を犠牲にして部下の安全を守る責務を負うことになる。日頃から自己利益より部下の利益を優先する態度を身につけておかないと、部下の信頼を得ることは出来ないから、非常時にチームとして行動することが出来ず、結局チームを危険にさらす結果となる。

生命の危険が存在しない大学の授業においても、リーダーとしての仕事を任された学生が自分の利益を優先させてしまうと、信頼を失ってだれもついて来なくなる。たとえば次のケースがそうだ。

リーダーは最後に食べなさいという。リーダーシップの授業で卒業生らを招いて意見交換会をしたら、リーダー役の学生が真っ先にかぶりついていた。企業トップだった卒業生は瓶ビールのふたを懸命に開けていた。http://www.amazon.co.jp/dp/4532319757/ref=cm_sw_r_tw_dp_oq6fvb14ENF5B

この卒業生が瓶ビールのふたを開けていたのは自分が飲むためではないのはもちろんである。リーダーシップの練習をしているのに、他人のために動こうとする学生がだれもいなかったのである。


[1]Simon Sinek, an unshakable optimist, is the author of the bestselling book Start with Why, which challenged traditional assumptions about how great leaders and great companies inspire people. He has shared his ideas with companies big and small, members of Congress and the highest levels of the US military. His TEDTalk based on Start with Why is the second most popular video of all time on TED.com. He lives in New York City.