2012年4月8日日曜日

アジア連携アカデミア構想


遅ればせながら記録します。理由は後記。

2月に予定されているゼミ生のプレゼン大会の広報のために、彼らのパワポから共通点を抜き出してみた。アジア連携アカデミア構想(仮称) ビジョン 農業や芸術などの「行為」を通してアジアの未来のためにアジアの若者達との絆を強化する。

アジア連携のための人材養成の条件http://twilog.org/nomurakn/date-120408メモしていたら、「アジア連携アカデミア構想」http://twilog.org/nomurakn/date-120408をブログにアップしていないかもと思った(記憶力ゼロ)。もう少しまとまってからと思っていたからだ。拙速が大事。

アジア連携アカデミア構想(Project Academy for Asian Unity)
ビジョン 農業や芸術などの「行為」を通してアジアの未来のためにアジアの若者達との絆を強化する。 Our Vision: Enhance and promote unity of Asian students for the future of Asia and Pacific regions through common work and activities centered on agriculture and art. 

アカデミアの語:連合大学院とかとすると文科省の用語とかぶる。アカデミーとすると予備校みたい。アカデミアというとプラトンみたいでかっこいい。最初はサマースクールでよいと思うが、風呂敷は大きく。英語はAcademy でよいか。

共通意識や連携の訳
sol·i·dar·i·ty  /sɑ:ləderəti/ noun
: unity (as of a group or class) that produces or is based on community of interests, objectives, and standards
http://www.merriam-webster.com/dictionary/

a feeling of unity between people who have the same interests, goals, etc. 
▪ national solidarity ▪ The vote was a show of solidarity.
http://www.learnersdictionary.com/

若者にあたるよい英語がないので、student: learner or one who studiesという英語にした。

インドにこんなブログがあった。

2012年3月25日日曜日

蓮行「演劇ワークショップ」2012メモ


蓮行氏[1]による演劇ワークショップがNPO法人グローバルリーダーシップアソシエーション(GLEA)[2]による「コミュニケーション力ワークショップ」として開催された。時は2012 1 28 ()、場所は大阪梅田。
 以下は観察者の自分のためのメモである。今後の共同研究によって補足・修正していきたい[0326更新]。昨年の演劇ワークショップの概要は次の記事を参照。


[1]  http://www.eisei.info/rengyou.html .
[2] http://www.npo-glea.org/glea/.


当日配布された「蓮行流 演劇ワークショップ術プリント」にメモを書き込んでいる。□のあとの見出しは蓮行氏のものである。ファイルを提供していただいた蓮行氏に感謝。

Disclaimer 蓮行氏はプリント通りに講義をされたわけではなく劇をやってみる合間に説明されたので、見出しとメモが一致していない部分がある。また、ワークショップのノウハウを守るために、ワークショップの中で参加者に明らかにされた情報の一部は開示していない(単に記憶がないとかメモが間に合わなかったいう理由もあるが…)。蓮行流演劇ワークショップの全貌を知りたい方は、ぜひ実際に参加してみてほしい。平田オリザ氏との共著、『コミュニケーション力を引き出す~演劇ワークショップのすすめ』(PHP新書、2009年)も参考になる。



Nomurakn on「蓮行流 演劇ワークショップ術プリント」


□不親切グラフ(生産者と消費者)


教え方の親切度があがるほど、学習の達成度がさがる。



□ワークショップ(WS)とは?

Aclass or series of classes in which a small group of people learn the methods and skills used in doing something 
 a photography/music workshop
Merriam-Webster's Learner's Dictionary http://www.learnersdictionary.com/search/workshop

どっぷりつかると当たり前になる。
双方向、体験・参加型
演劇と民主主義/シアターゲーム
ゲーム:意図を知らさない。考える前に。


□@@情報

@@のところに何が入るか。
…解答は、実際のWSか、蓮行前掲書『コミュニケーション力を引き出す』を参照のこと。



負荷。自分を含めた関係性を俯瞰する必要がある。


□モジュール


声の大きさ、変化、パラダイムシフト


 □発声練習


  □バイパス効果

直接だと負荷がかかるので、ゲームでバイバス。音や視角に集中しているうちに、仲良くなれる。プロセスが楽しい。
→←文科省、指導要領。大学入試のための一点突破のための教育。解は1つ。
→←コミュニケーションには解がない。
学習の「ねらい」はもうけない。ねらいは必要条件に過ぎない。他の点の気付きもあってよい。
コミュニケーション=個人<環境 →コミュニケーション環境

□インプット>アウトプット
情報。どう言われたいか。相手の情報をどう引き出すか。瞬時にヒントを得て。

□メタ視点
鳥瞰、俯瞰。楽屋おち。[比較:ハイフェッツ:バルコニーにのぼる]お客目線。
客席から情報を得る。老人、子供が多いと上演時間が長くなる。[比較:ハイフェッツ:音楽とリーダーシップの類推。音楽家-聴衆/リーダー-フォロアー:聴衆は傍観者ではなく、音楽家に影響を与える。]


□ピント調整&共有能力


□共同注意


□コミュニケーション環境

しゃべれないのに盛り上げる。

□単純科学主義、単一目的主義、十分条件主義の諸問題

告白タイムから「泡沫裁判」へ[ワークショップでは参加者の告白に基づき、「トイレ逆流事件」が審理された]:多様な意見を集約(共通のゴールから逆算)してアウトプットする練習。(→単一目的主義ではダメ)
エリート高校生はこのような練習をしているらしい。エリートだけが教育を受けているのは問題。対策→演劇を作る。ゴールは決定。合意形成。

今後の夢:「泡沫裁判」の発展型として、立法過程を劇化できないか。法を合意して作っていく。





広報用パンフレット(表裏)



2012年3月18日日曜日

欧州大学院60年-アジア大学院?も必要


ベルギーの欧州大学院、設立60年でEU首脳級を輩出しているらしい(日経120318)。中国から3人在籍しているが日本人はいない。大戦の戦禍を繰り返さないという設立の決意はアジアでも共有すべきだ。FTATPP締結や留学生を増したりするだけではなく、共通の人材養成の場が必要だ。

せっかくのよい記事なのに、Web版日経無料版には共有するシステムがないのかな。日本語の障壁さえなければ、こんなに閉じていると欧米のマスメディアに淘汰されてしまうだろう。

「欧州大学院大学(カレッジ・オブ・ヨーロッパ)が欧州連合(EU)加盟国の首脳級を相次ぎ輩出している。50カ国超の国から集まった学生が10カ月間、勉学や生活を共にする。卒業生の多くは政治家、EU官僚、弁護士として活躍する。異なる国同士の相互理解を深め欧州の平和の礎をつくる――。そんな理念を掲げて設立から60年余り。欧州のエリート養成校は収穫期を迎えつつある。」

「学生らはEU加盟27カ国の出身だけではない。出身国は計56カ国。日本人はいないが、中国からは3人が在籍している。トルコ財務省を休職して門をたたいたアラゴン・ウントマーツさん(32)は「トルコは欧州の一部。ここで学んだことは母国に帰っても必ず役立つ」。」

「大学は49年に「大戦の惨禍を繰り返さない」という決意の下でチャーチル英首相、デガスペリ伊首相らの指導で設立された。いまや卒業生は1万人超。大学で育まれる欧州人としての連帯の精神や人脈は危機を乗り越える一助になるだろう。」

欧州エリート養成、収穫期
欧州大学院大設立60年、EU首脳級輩出
2012/3/18付日本経済新聞 朝刊

2012年3月14日水曜日

負けないあきらめない庶民の力

西川さんのリーダーシップの特長は、負けない、あきらめないというものだった。これは311日の大災害に際する庶民の力でもある。オバマ大統領はfortitudeとかresilience and determinationと讃えているが、日本の政府にも庶民の力が生かされればよいのに。2012314


The White House
Office of the Press Secretary
For Immediate Release
March 09, 2012
Statement by the President on the One Year Anniversary of 3/11 in Japan
As we mark one year since the catastrophic earthquake, tsunami, and nuclear disasters in Japan, Michelle and I join all Americans in honoring the memory of the 19,000 victims lost or missing.  We continue to be inspired by the Japanese people, who faced unimaginable loss with extraordinary fortitude.  Their resilience and determination to rebuild stronger than before is an example for us all.
…………………
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2012/03/09/statement-president-one-year-anniversary-311-japan

2012年3月4日日曜日

三年寝たろう


NHKRADIO JAPANで三年寝たろうがおもしろかったという投書が紹介されていた。理由を知りたい。目覚めてから村に貢献したのは日本昔ばなしと同じだ。後者には実は怠け者ではなかったという解釈が多いが合理化し過ぎかも。いつかどこかで誰かの役にたっていれば「これでよいのだ」。201234

NHKワールド ラジオは海外向けに制作・放送されているが、Friends around the world(by Kay Fujimoto Mick Corliss)は日本国内でも聴ける(日曜 14:10-14:30)。三年寝たろうは番組中のつぎの企画で紹介されていた。

Once Upon a Time in Japan : Sleepyhead Taro, The man who Slept for Three Years

英語版では、目覚めて灌漑に成功したあと、” Taro worked hard, too, and lived happily ever after together with everyone else.”と改心してしまっている。残念。1975218(昭和500218)に放送されていた日本昔ばなしでは寝たろうはまた寝てしまうのだが、こちらの方が人間らしい。でも最後に説教じみた解釈が示されている。

「寝太郎はただ寝ていたのでなく、どうすれば村が助かるかをずっと考えていたのだった。
まんが日本昔ばなし データベース

日本昔ばなしの作画と演出は樋口雅一となっているが、出典は「表記なし」。1967年に次の絵本が出ているから、これが原作かもしれない。

大川 悦生、 渡辺 三郎『三ねんねたろう  むかしむかし絵本』
おおかわ えっせいぶん  わたなべ さぶろうえ 
出版:ポプラ社1967.6
サイズ    ISBN     4-591-00381-7   
27cm / 1冊

2012年2月23日木曜日

柏木・茅野報告と司法制度再改革


高等研交渉学研究会では、17日に柏木昇教授が「交渉論における信頼」、18日には茅野みつるさんが「理論か実務か 米国LSのカリキュラムにおける交渉実務の重要性」を報告された。その後、訴訟中心の法律家養成制度と論文中心の教員採用が問題だと改革を語り合った。2012223日 https://twitter.com/#!/nomurakn/status/172666798255255554

知識詰め込み型の法学教育と顧客の利益につながらない形式的な大学評価制度がこのまま続けば、大学教員も含めた日本の法律家のレベルは韓国や中国に「追い越されてしまう」。裁判官法学をコアにした法科大学院教育も再改革する必要がある。次の柏木意見に賛成だ。

「現在は『訴訟弁護士』養成中心。ビジネスでは訟手前のリーガルサービスができる人材や、海外案件を英語で対応できる人材も必要。」February 2012 WEDGE 28頁以下,30頁。

2012年2月8日水曜日

鞆の浦問題に関する推進・反対双方の共通認識と解決の創造


28日朝日新聞MyTown広島は、鞆の浦埋め立て架橋計画の推進反対両派が対話した住民協議会の仲介者2人が広島県知事に協議結果のまとめを提出したと報じた。仲介役の大澤・牛島弁護士が示された推進反対両派の共通認識の内容は、立場ではなく利害に焦点を合わせる交渉理論に合致している。

「2.立場ではなく利害に焦点を合わせる
○利害を探る。
○最低線を出すやり方を避ける。

3.双方にとって有利な選択肢(オプション)を考え出す
○まず複数の選択肢をつくり、決定はその後にする。
○ブレーンストーミングを活用する。」[1]

大澤先生はつぎのような前向きの期待を語られている。「今後の湯崎知事の最終判断について大沢弁護士は、「住民の共通認識を踏まえて判断すれば、(鞆地区の)将来に向けた、できるだけ禍根の少ない解決策の出発点になると思う」と期待を示した。

双方にとって満足できる選択肢を組み合わせて、創造的な解決が実現すれば、交渉やミーディエーション(仲介、調停)実践の画期的なケースになる。

20120208日朝日新聞MyTown広島(部分)
「鞆(とも)の浦(福山市)の埋め立て・架橋計画をめぐり、推進、反対両派が対話した住民協議会の仲介者2人が7日、県庁を訪れ、協議結果をまとめた報告書を湯崎英彦知事に提出した。2人は協議会の設置後初めて会見し、「非常に難しい問題について、立場の違いを乗り越えて住民に熱心に話し合ってもらった」と1年8カ月の協議を振り返った。
 仲介者を務めたのは牛島信(第二東京弁護士会)、大沢恒夫(静岡県弁護士会)の両弁護士。一昨年5月に湯崎知事の発案で始まり、今年1月まで計19回に及んだ協議会に出席。推進、反対両派各6人の住民同士の対話を促し、鞆地区の狭い県道の交通混雑や地域活性化など地元の課題に対する両派の共通認識を探り出す作業を担った。
 報告書に盛り込まれた両派の共通認識は、歴史的な町並みの中に大きな道路は造らない▽道幅の狭い鞆地区の県道を迂回(う・かい)するバイパスの有用性の理解が進んだ▽景観は大切で、配慮も必要▽駐車場や下水道、港湾施設の整備が必要――など8項目に上った。[2]
■仲介者が報告した推進、反対両派の共通認識(要旨)■
「(1)困っている人が現にいることを互いに認め、尊重し合う
(2)町中に大きな道を造らない
(3)バイパスの有用性への理解が一定程度進み、求められる機能は通過交通の排除、歩車分離、定時性の確保、時間短縮、大型車の通行、ネットワーク化
(4)景観は大切で、配慮も必要
(5)時間短縮も重要だが、バイパスには安全性や定時性の確保をより求める
(6)バイパスでの大型車の通行によって生活環境が悪化するなどの懸念を感じる人がいる
(7)駐車場の確保、下水道整備、港湾機能の確保、防災対策が必要
(8)鞆の歴史・伝統に誇りを持ち、景観を愛し、鞆を再生、活性化させたい」


[2] 吉田博行、水田道雄署名付記事の一部。