2012年10月3日水曜日

GETTING TO YES 2011年版について


2012921()に開催された実践法教育研究会の報告原稿です[1] コミュニケーションとネゴシエーションの関係については大分研究が進んでいるようです。注に記載した論文を発見しました。余裕ができたら、よいコミュニケーションが交渉力アップにつながるのか、ミディエーションやファシリテーションでも用いられるフレーミング手法などについて、書き足したいと思います。

Getting to Yes(ハーバード流交渉術)第3版、2011 [頁数]、第2,1991{頁数}
Roger Fisher,William L. Ury and Bruce Patton, Getting to Yes: Negotiating Agreement Without Giving In (Penguin, 3d., ed., 2011).Paperback ISBN 9780143118756 | 240 pages | 03 May 2011 | Penguin | 8.26 x 5.23in.

1. 交渉革命(第3版の前書き)
・個人や組織の関係が力による命令から交渉に変化したことを交渉革命(negotiation revolution)と呼んでいる。

・命令から交渉への交渉革命で3つの変化があった。交渉は労使関係、契約締結、外交などの特殊な活動から日常的なものとなった。一昔前は「交渉」という言葉には対立的な意味合いも込められていたが、現在では勝ち負けでない賢い交渉方法があることが認められた。法、経営、公共政策大学院では交渉がコア能力として広く教えられるようになった。

2.感情に関する5つの利害-日本語でどう説明するか
人と問題を切り離せ(第2章)

Pay attention to "core concerns." [p.32]
Autonomy(自律:干渉されたくない): “the desire to make your own choices and control your own fate”
Appreciation(他人から認められたい): “the desire to be recognized and valued”
Affiliation(どこかのグループに帰属したい、受け入れてもらいたい): “the desire to belong as an accepted member of some peer group”
Role(やりがいのある役割を果たしたい): “the desire to have a meaningful purpose”
Status(自分の地位を尊重されたい): “the desire to feel fairly seen and acknowledged.”


3.交渉力を交渉の7要素(seven elements of negotiation)として整理

10番目の質問 相手の方が力が強い場合はどうすればよいか。交渉力をあげるためには?[p.181]{p.177}

・交渉力のもとになるたくさんの要素がある。[p.183]{p.179}
5つ:BATNA+人(the relationship)、利害、選択肢、客観的基準=1+4(第1版、1981
6つめ: コミットメントの力(第2版)
7つめ: 効果的なコミュニケーションの力(プロセス管理を含む 後述5)(第3版)。

・交渉者の間に良好な機能的関係を作り上げることは力になる[p.183]{p.179}
・第2版の記述{p.180}に、中東和平枠組みに関する国連決議242号をめぐる英国の外交官とソ連の外交官の例を加え[p.184]、最後に正直さとフェアネスの評判は交渉者として最重要の資産であると結論づけている。[p.185]

4.効果的なコミュニケーションには力がある([p.185]見出しを新設)交渉プロセスの管理として整理
10番目の質問の続き。

○交渉プロセスを巧みに管理すること-試合の流れを変える動きをする-は達成できる結果の質を左右する。
・力強いメッセージを送ることと傾聴サインを送ること。[pp.185-186]{pp.180-181}記述は同じだが、これらを交渉プロセスの管理として整理。
・立場重視型から原則立脚型へとフレームを変えること。利害、選択肢、基準およびBATNAに基づいたリフレーミング[pp.186-187][2]

以上の他にも、立場ではなく利害に焦点をあてよ(第3章)で、「なぜなのか」に2つのまったく異なった意味があるThe question "Why?" has two quite different meanings.[pp.54-55]という見出しが新設されている。第1に何が起こったか、第2に何が起こって欲しいかである。何が起こったかではなく、何が起こって欲しいかを語れといっている。

以上


[1] 2012921()1830-2030 、上智大学(四谷キャンパス) 2号館13階、2-1315(大会議室)
[2] Linda Putnam & Michael E. Roloff, Communication and negotiation, (Sage, 1992). Sanda Kaufman & Michael Elliott, “Frames, Framing and Reframing”(September 2003) http://www.beyondintractability.org/bi-essay/framing

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